オレンジの片想い
チャイムが鳴り、きちんと起きていた学級委員の号令がかかり、やっぱり先生はすぐに教室を出て行った。
隣を見れば案の定まだ夢の中にいる蒼真。
「起きろ蒼真!」
ノーガードな彼の左肩を、拳でポカポカと殴った。軽くやっていたら全く起きないので、徐々に強めていくと、呻き声を出して、薄く目を開けた。
その目はやっぱり充血していて、むくりと起き上がれば気怠そうに、眉間に皺を寄せていた。
「おはよう。授業終わりましたよ蒼真くん。よく眠れましたか」
「あれ...俺、寝てた?」
想像していた通りの発言。予測できすぎちゃって、笑ってしまう。
「絶対言うと思った、それ」
「今何時間目?」
「世界史終わって休み時間」
「ああ....あれは先生が悪い」
「うわ、責任擦り付けやがった。...わたしも眠たくなったけど」
「だろ?頑張ったけど俺には耐えられない」
やっぱり、最初の方は起きようと努力していたんだ。ああ、じゃないと思い切り机に額を打ち付けたりしないよね。
「蒼真、思いっきり机にダイブしてたよ」
「え、まじで?だから痛えのか」
「あははは」