オレンジの片想い

口にした途端に、もっと好きだって感情が溢れた。


堂々と言ったのに、なんか急に恥ずかしさがこみ上げてきて、机に額をつけた。



わたしって、どうなったって蒼真の事を好きになる運命なんだろうか。


小夏ちゃんが言っていた"離れても出逢う運命"って、あながち嘘じゃなかったな。そういえば蒼真がいなかった間、わたしの恋は途切れていたっけ?


たぶん、途切れてはいなかった。




だからこの恋は、初恋の延長なんだ。




「あー...わたし、これからどうしたらいいのかなあ」



好きな人がいる人に、恋をした。



気持ちってものは、自分の意志じゃどうにもなんないものだから、取り返しはつかないけれど。だからこそ、これから悲しいことも辛いことも、苦しいこともたくさんあって、嫉妬だってするだろう。



わたしは、想いを隠して蒼真と小夏ちゃんが上手くいくように、彼らの恋を応援する脇役を演じるべきなのか。

それとも、蒼真を振り向かせようとする脇役を演じるべきなのか。



「雪葉ちゃんは...どう、したいの?」



わたしは、どうしたいんだろう。



好きな人の幸せを願いたい?


自分の幸せを願いたい?






.....答えは両方だ。







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