オレンジの片想い
学校に着いて靴を履き替え、時計を見るとちょうど良い時間だった。
「じゃあ、またね」
「うん」
階段を上がり、ぞろぞろと教室へ入っていく生徒に紛れて、昨日同様わたしが先に教室へ入る。
ひなせちゃんがもう来ていることは鞄でわかった。たぶん3組にいるんだろうなあ。
月菜はもう来てたりするのかな。
わたしも3組に行こうかと思ったけど、もう数分でチャイムが鳴るし、座っていることにした。
両手で頬杖をついてたけど、何もすることがないし、やっぱり3組行けばよかったと思っていたとき。
「雪葉。おはよう」
ぼーっとしていたから、上から降ってきた声に目線だけをあげる。
「....陽翔。おはよう」
彼は鞄を机の横に掛けて斜め前の座り、体ごとこちらに向けて座った。
「なんか寂しい子になってたぞ」
「あ、やっぱり?わたしもそれ思ってた」
「まあ、こんな時間だもんな」
「そうなんだよ。すごい暇だったんだよ」
「俺に感謝しろよ?」
「.....その顔むかつくからしない」
「なんでだよ」