オレンジの片想い
「でもさあー、雪葉が応援して、ほんとにその恋上手くいっちゃったらどーすんのさ」
んん...まあ確かに...。その可能性もあるけど。でもでも、逆のこともあり得るし。うーん。
「それはわかんないよ。でももし...そうなったら。わたしはたぶん、最後の最後までかっこつけると思うな」
「かっこつけぇ?」
「うん。蒼真にとってわたしが"いい人"で残れるように」
はは。なんか恥ずかし。
羞恥を隠すように髪の毛を触った。
わたしを見下ろす形で話していたが、月菜はまたさっきと同じ位置に寝転んだ。
「好きな人がいる人に恋って....難しいねえ」
「ねえ、ゆき。まだこの子珍獣だよね」
「うん。スルーしてたけどわたしも思ってた」
月菜は聞こえていないのか、珍獣という単語には何も反応を示さなかった。するとまた唐突に天井に向かって叫びだした。
「雪葉!相手誰か知らんけど負けたらしばくからな!」
「な、なぜ!?」
「........」
「やだ、月菜寝たよ」
「...え。うわ、まじだ」
そんなこんなで、この日の女子会は幕を閉じた。