オレンジの片想い
はじめまして、恋心
________確かそれは、中学2年生の時。
わたし、篠井雪葉は当時男子が苦手で、全くと言っていいほど関わりがなく、クラスの人でも話したことのある異性は5本の指に収まっていた。
そんなんだから、当然恋なんて訪れもしなくて、訪れるとも思っていなかった。
夏休みが終わった二学期。席替えをした。
わたしの隣の席は教室の廊下側の一番後ろ。その場所に内心喜びつつ、となりは誰だろうとチラリと見た。
となりに座ったのは、まだ1回も話したことのない男子生徒だった。
名前は、瀬川蒼真くん。
彼は、学年でも目立った存在で。
いつ見たって男子と騒いでいて、女子にもちょっかい出したり。人気者だったけれど、わたしは正直ちょっと苦手だった。
そんな瀬川くんが、隣の席になったのだ。