オレンジの片想い
そう、頑張ると決めた直後の6限目。
「じゃあ、今日の学活は修学旅行の行動班決めるから、学級委員頼むぞ」
「はい」
そう言われて、クラスの学級委員ふたりが黒板の前に出た。
「えっと、決め方について何か提案がある人いますか?」
その質問に、教室のあちこちからくじ引きだの自由の2つ、意見が出た。
え....自由じゃないと蒼真とも咲歩とも一緒になれる確率低くなるじゃん!くじ引きとか、わたしくじ運ないのに!
「では多数決で決めたいと思います。くじ引きがいいと思う人!」
何人かの手が挙がる。その人数をもうひとりの学級委員が黒板に書いていく。くじ引きは12人。クラスの人数は36人。と、いうことは....
「これはもう、自由で決定ということでいいですかー?」
.....っしゃあー!
心の中でわたしは大きくガッツポーズした。そこで、はっとする。
わたし一緒の班になろうって蒼真に誘わなくちゃなんないんだった。
そう思った途端に、緊張が。心臓が急速に速くなってくのがわかった。とりあえず咲歩のとこ行って、それから気軽な感じで誘って...!大丈夫、できる!
「人数は男女3人ずつ、合計6人の班で。決まったら黒板に書きに来てください」
その言葉を合図に、一斉にみんな立ち上がり、それぞれ一緒になりたい人のところへ移動を始めた。