オレンジの片想い
好きでいたいのに諦めたいなんて、なんて悲しい願いだろう。
"諦めたい"と思うことがもう、現状を変えられない証で。諦めたいと思うからそれができないでいるのに、そう思わずしてどうしろって言うんだ。自分の気持ちがコントロールできないって、こんなにも苦しい。
だからって嫌われたいとも思わなくて、だからずっといい人を演じてるのだ。
蒼真の事を友達として好きだと胸を張って言えたなら、どんなにいいだろう。
どうしたら、言えるだろうか。
そう、ずっと考えてきて。
完全に諦められる状況を作ってみたら、何か変わるかな、と思った。
今も、蒼真と小夏ちゃんが両想いだと知っているから、諦められると思っていた。だけど実際今できていない。それはたぶん、ふたりはまだちゃんとした関係じゃないからで、期待できるような状況でもないのに、やっぱりしてしまうんだと思う。
だったらわたしが、くっつけてしまえば?
そんな安易な考えに辿り着いた。
それが間違いだったとしても、何もしないで足踏みしているよりはずっとましだ。
そう思って、英語の授業の終わった後の休み時間、蒼真に話しかけに行った。