オレンジの片想い

「さ、咲歩おおお!すごい緊張するんだけど!どうしよう!」



わたしも、真っ先に咲歩の元へ向かってそう言った。今までの中で3本の指に入るくらい今緊張してると思う。




「そりゃあ緊張するよ。でも頑張るんでしょ?」




「頑張るけど、ちょっとわたし急すぎて準備できてない....」




「それなら早急に準備したほうがいいよ。誘おうとしてる子今いっぱいいるから」




「....ぬ!?」




ばっと周りを見渡して、すぐにわかった。固まった女子たちが蒼真をチラ見していたからだ。『誘いたいけどどうする?』な類の会話が繰り広げられているに違いない...!




そして当の本人はどうなのか。そちらをばっと見ると、高木ともう1人、木山くんの3人で固まっていた。木山くんは声が大きいから、誰と班作るー?だなんて言って相談中だ。




やばい。早くしないとこれは先越されたら終わる...!




ぎゅっと右手を握り締めて、咲歩を連れて蒼真の近くまで足を動かし、そして言った。




「...っ蒼真!一緒の班になろ!」




い.....ってしまった......!



勢いで言っちゃったけど、もし断られたりとかしたら、どうしよう...。今さらだけどめっちゃ怖い。周りの子の視線もこっち見てるのわかるし。



顔があげれなくて、うつむく。ぎゅっとくちびるを噛んで返事を待つ数秒がとても長く感じた。



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