オレンジの片想い
すると、蒼真の大きな手が伸びてきてわたしの髪をくしゃくしゃにした。
「おわ...!」
「俺も今、誘おうと思ってた!」
その言葉に、わたしは思い切り顔を上げた。そこにはいつもと変わらない蒼真の笑顔があった。
「ほ、ほんと?」
「おう。雪葉いたら楽しくなりそうだなってさ」
.....やばい、嬉しすぎて。
「雪葉たちと班一緒でいいよな?」
蒼真に聞かれ、高木と木山くんが頷く。
「....っ!」
ぐるっと後ろを振り返って咲歩を見たら、頭をなでられた。今は蒼真がいるから大きな声で話せないけど、本当に咲歩には感謝しないとなあ。
嬉しいがこみあげてくる。のどの奥の方の、心臓の裏辺りがぎゅーってなって、口元が緩んで仕方ない。こんなの初めてだ。
「ありがと。木山くんもよろしくね!」
「おー!よろしくな!」
「...ね、でもさあ」
木山くんもいい人そうで安心していると、咲歩が口を開いた。
「女子もう1人って誰入れるの?」