オレンジの片想い

「同窓会?何年生のときの?」


「えーっと...中2ね」



...中2の、同窓会。そう聞いてわたしは、一瞬動揺して固まってしまい、すぐには反応することができなかった。





________今は、14歳だったあの頃から10年もの月日が経った秋。


わたしは、24歳となっていた。




「...雪葉?どうしたの?」


「あ、ああ。ごめんごめん」


「行くの?」


「えーと...それって、いつあるのかな。行くかは日にちにもよるから。書いてある?」


「うん、書いてあるわよ」


「じゃあ一応メモするから、ちょっと待ってて」




紙とペンを急いで用意し、日時や場所などをそこにメモした。それから少し近況などを母に軽く話して、通話終了のボタンをタップした。




同窓会が行われる日は、ちょうど用事も何もない日。


...行けって、言われてるみたい。



なんて思いながら、忘れもしないあのころを思い出して、目を閉じた。
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