オレンジの片想い
...この人がとなりの席なのかあ。
目線だけを左に向けていると、バッチリと彼と目が合ってしまった。
「.......っ」
驚きで、反射的にバッと目を逸らしてしまった。
うわ...感じ悪かったかなあ。
少し反省していると、瀬川くんがわたしに声を掛けてきた。
「えーっと....篠井、今さらだけどよろしくな」
今さら...確かに。
っていうか。男子と話すのとか久しぶりすぎて焦る。普通に普通に。女子と話すみたいな感じで。
「う、ん。よろしく、瀬川くん.....」
声、ちっちゃあ。もう嫌だなあ.....。
そんなわたしを見て、瀬川くんは無邪気に笑って見せた。