オレンジの片想い
「頑張るけど、とりあえず修学旅行楽しも!」
「その前に中間テストだけどね?」
「.....急に現実に引き戻されましたね」
そうか。修学旅行とかって浮わついてたけどその前にテストがあるんだ。完全に存在忘れてたけどあと2週間もないんだよね。
てか、あと3日で1週間前じゃないか。やばいじゃないか。
「ゆき要領いいし頭もそこそこいいんだしいいじゃん」
「テストっていう存在が嫌なんだよー」
「それはわかる」
それから咲歩と、真面目にテストの話をしていた。テスト範囲とか分からないところをお互い教え合ったりした。
その最中に、後方からわたしを呼ぶ声がした。
「なあ雪葉ー!」
「....!」
過剰反応する体。その声は間違えることなく蒼真で、声は出さずに振り返った。
「忘れてたけどもうすぐテストじゃん。俺全然わかんねーんだけど!」
「へえ」
「へえって....そこは"わたしが教えてあげる"って言うところだぞ?」
「あ、そうだったの?それで?」
「.....一週間前んなったら部活ないし教えてほしい」
「最初からそう言ったらいいのに」
「むりか?」
「....いいよ。勉強しよ」
「お、よっしゃ!ありがとな!」