オレンジの片想い

「頑張るけど、とりあえず修学旅行楽しも!」



「その前に中間テストだけどね?」



「.....急に現実に引き戻されましたね」



そうか。修学旅行とかって浮わついてたけどその前にテストがあるんだ。完全に存在忘れてたけどあと2週間もないんだよね。



てか、あと3日で1週間前じゃないか。やばいじゃないか。



「ゆき要領いいし頭もそこそこいいんだしいいじゃん」



「テストっていう存在が嫌なんだよー」



「それはわかる」



それから咲歩と、真面目にテストの話をしていた。テスト範囲とか分からないところをお互い教え合ったりした。



その最中に、後方からわたしを呼ぶ声がした。



「なあ雪葉ー!」



「....!」



過剰反応する体。その声は間違えることなく蒼真で、声は出さずに振り返った。



「忘れてたけどもうすぐテストじゃん。俺全然わかんねーんだけど!」



「へえ」



「へえって....そこは"わたしが教えてあげる"って言うところだぞ?」



「あ、そうだったの?それで?」



「.....一週間前んなったら部活ないし教えてほしい」



「最初からそう言ったらいいのに」



「むりか?」



「....いいよ。勉強しよ」



「お、よっしゃ!ありがとな!」
< 33 / 281 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop