オレンジの片想い

そんなこんなで一日目の勉強会は終了。



次の日も、わたしたちはまた図書室を訪れた。蒼真は英語を、わたしは社会を。



テストは木曜日と金曜日で行われるから、土日を挟んでしまう。わたしたちは休日に会うことはせず、家でできるようにとまとめておいた理科と社会の暗記プリントを手渡した。



蒼真の私服が見たかった、なんて思ってしまったけれど....。



月曜日は国語を一緒に勉強して、火曜日は総復習。お互いに口頭テストをして、できなかったところを再度覚えなおした。



そしていよいよテスト前日。1日目は理科と英語。今日はその教科だけを勉強してわたしたちは図書室を出た。帰り道は途中まで一緒だから、わたしたちは話が途切れることなく話していた。



「いよいよですが、今の心境は?」



「雪葉さんのおかげで自信持ててます」



「ほんと?よかったー!」



ちゃんと役に立ってるか心配だったんだけどよかった。



「ねえ、蒼真っていつもそんなに勉強しないの?」



「んー?まあ、嫌いだからな」



勉強嫌いなんて贅沢なんだよね、本当は。そんな事言うわたしも好きではないんだけどさ。



話していると、あっという間に分かれ道。途中まで一緒と言っても校門を出てつきあたりを曲がったらすぐに別れてしまう。



「...じゃあ、また明日!頑張ろう」



「おう。ありがとな」



家が近かったら、なんて思う。せめて方向が一緒だったらな。振り返ったとき、小さく見える背中に遠さを感じてしまって、わたしはそれを振り払うように前を向いて早歩きで帰った。




そして、わたしたちはテスト本番を迎えた。


< 37 / 281 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop