オレンジの片想い
試験2日目。教科は残りの社会、数学、国語。全て全力を尽くしたからきっと大丈夫...なはず。
蒼真も昨日同様、笑顔でピースサインを見せてくれた。
テストが終わった日に部活再開する部は多いけど、写真部は休みだった。咲歩はバレー部できっと部活あるだろうなと思っていたらなかったらしく、少し話して帰ることになった。
咲歩の家は学校のすぐそば。だから咲歩の家にお邪魔させてもらうことに。お昼ご飯までご馳走になった。
「ご馳走様です、おいしかったです」
「いえいえ。ゆっくりしてってね」
咲歩のお母さんに挨拶して、部屋へ。
「お昼ご飯までありがとう」
「いいよ。1回家戻るのも面倒でしょ?」
「わりと遠いからね...」
わたしの家は通学手段は一応徒歩だけど、20分は歩かなければならない。慣れたからそこまで苦ではないけどね。
「...で。あたしまだふたりで勉強してた間のことなんにも聞いてないんだけどな」
「いや、本当に真面目に勉強してただけだったよ」
「ええー...もっと何かなかったの?」
何を期待してるんだか...いままで咲歩とこんな話したことがなかったけど、わりと好きらしい。少女漫画をお姉さんの影響で読むらしく、そんな漫画みたいな出来事をわたしに求めてくるのだ。
咲歩自身の恋の話については、聞きたいと言ったら"自分のを話すのは好きじゃないから"といつもはぐらかされてしまうので、未だに聞けずにいる。
「うーん、でも...ね」
わたしは、テスト2日目の前日の事を咲歩に話した。
「あの時、蒼真はわたしの方を振り返ったってこと...ですよね...」
「そうでしょ。まさかゆきが見てるなんて思わなかったんだろうね」