オレンジの片想い

土日明け、いっきにテストが返却された。結果はわりと良い方。蒼真も良かったみたいで、笑顔でお礼を言ってきた。





_______それから1週間後、待ちに待った修学旅行。



集合は朝の6時。いつもならまだ余裕で夢の中なのに。眠たい目を擦ってなんとか起き上がる。主な荷物は昨日のうちに届けてあるので、今日いるものだけ鞄にいれて学校へ行った。


着いたのはギリギリだったから、ほとんどの生徒が既に校庭に集まっていた。


自分のクラスの列の先頭に立っている担任に出席をチェックしてもらい、班の人を探すと、いちばんに蒼真を見つけた。


彼の方もこちらに気づいたようで、手を挙げて場所を示してくれた。



「雪葉遅えぞー!」


「ごめん!もうみんな集まってる?」


「おう。今、木山が全員揃ったって先生に言いに行った」


「お待たせしてしまいすみません...」


「まあ、間に合ってるからいいけどな」



蒼真は笑ってたけど、待たせていたことをやっぱり申し訳なく感じて反省していると、背後から肩を叩かれて振り返った。



「咲歩、月菜!おはよう」


「おはよう雪葉~」


「ゆき遅かったね。月菜なんて20分前に着いてたのに」


「えっ、20分!?」


「早く家出過ぎてさ...」


「じゃあわたし、月菜が到着したぐらいに家出たのか」


「あんたは出んの遅いわ」


「あはは」


話していると、木山くんが戻ってきた。それと同時にほかの班も揃ったようで、先生がみんなに声が聞こえるようメガホン片手に話し始め、静かになる。


「じゃあ、今から駅に移動するからはぐれないように注意してな」


その指示を合図に、各クラスの担任が立ち上がるよう言い、先生に続いて駅まで歩いた。
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