オレンジの片想い
みんなで話しながら歩いているとすぐに東大寺に着き、高木と蒼真は案の定おおはしゃぎ。そこに木山も参戦していた。わたしたちも、大仏の大きさに感嘆の声を上げた。
見終わってから、わたしたちは時間内で行けるところは全て行って、奈良を満喫。あっという間に集合時間。
旅館までのバスの中、わたしは疲れて寝てしまい、月菜に起こされたときにはもう到着していた。
「雪葉、爆睡してたね~。咲歩ちゃんもう先に行っちゃったよ」
「えっ咲歩早い....気づいたらぐっすりだよ!月菜眠くなかったの?わたしまだ眠いんだけど」
「今はそんなにだけど、夜更かしできないかも」
「ああ、それわたしもだ。修学旅行の夜は語り明かしたいけどな」
「今日は旅館だから大部屋だしね」
そう、今晩は旅館だから大部屋で、大人数で泊まる。明日の晩はホテルだから数人で。
「でも月菜と部屋別れちゃったね」
「うん...でも明日は一緒だから」
「帰りは寝れるから夜更かししようね!」
「とか言ってみんな寝ちゃったりしてね」
「あはは、あり得る」
今日の大部屋の班は、月菜は梓ちゃんたちと一緒で、わたしと咲歩はまた別の子たちと同じ班なのだ。明日はホテルだから、行動班の女子3人で泊まる予定だ。
まず部屋に荷物を置きに行くため月菜と別れ、それから部屋班ごとに大浴場へ。
みんながお風呂を済ませてから、部屋で夕飯。それはそれは、すごくおいしかった。
ご飯を食べた後、定番の枕投げをしたりとはしゃいでいると、消灯時間がきた。先生が巡回するからもう煩くはできなくて、小さな声で話していた。
みんなそれぞれの布団に入って、寝転んで話していたから眠気が襲ってきて、日付が変わる頃にはもうわたしは寝てしまっていた。