オレンジの片想い

無事帰宅して、その日はすぐに眠りについた。



土日、会えない間わたしはずっと蒼真の事を考えていた。



というか、考えようとしなくてもいつの間にか彼の事が頭に浮かんでいるのだ。我ながら、重症だ。



「はあー....」



ひとりでいると、ため息ばかり出る。でも今は、ひとりでいたい。



蒼真の気持ちをわたしが考えたって、それは全て想像にすぎないんだよなあ。だからわたしは、月曜日会ったら訊かなければならない。まずそれが、難点だ。



逃げてしまいそうだけど、でも、それ以上に。




「会いたいなあ.....」




枕に顔を埋めてぽつりと呟いた。



....って、独り言でなに言ってんだか、わたしは。自分で声に出しといて恥ずかしくなってきた。近くにあったぬいぐるみをこれでもかって程きつく、強く抱きしめた。




"雪葉だよ...って言ったらどうする?"




あー....もう。



なんども繰り返し再生される、蒼真の声と言葉。からかってるようには思えなかったの。だから、わたしは期待しちゃうんだ。



確かめたい。それで、伝えたいな。怖いけど、それでも蒼真が好きだって。




早く月曜日になってほしい。そう思うほどに時間はゆっくりに感じられてもどかしかった。そんな落ち着かない2日を過ごして、やっと、月曜日がきた。
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