オレンジの片想い
「えっ、俺目立ってる?」
あ、自覚ないんだ。
「うん。いつも廊下で騒いでるから」
廊下の真ん中塞いでたら顔覚えちゃって、周りの人が蒼真のこと話してたりしたの聞いて名前も知っていた。
「それって悪目立ち....」
「そうとも言うね」
「まじで...回りから見たら俺ってそんなんなんだ」
彼は肩をすくめて落ち込んでいた。今までどんな風だと思ってたんだろ。
でも、わたしが知っていたのは決して悪目立ちしていたからというだけじゃない。良い意味で目立ってもいたからだ。
ちらりと、目を合わせないように隣を見る。
わたしが彼を知っていた理由。それは、モテていて目立っていたから。
まじまじと見るのは初めてだけど皆が言うのもわかる。
彼は整った容姿をしていたのだ。