オレンジの片想い

もやもやが広がっていく中、担任が紙に何かを書いていた。



「10月入ってまだ席替えしてないから、しようか」



何をしてるんだろうと思っていたら、くじを作っていたのか。



席替え...かあ。また蒼真の近くになれたらいいな。



くじを引きに教卓へ並び、引いていく。その間に先生は黒板に席の並びと、それにランダムな番号を振っていた。全員引き終えてから、一斉に開ける。



くじ運悪いけど、お願いします...!



そっとくじを開いた。番号は...7番。廊下側のいちばん後ろだ。席はいいけど隣は誰だろ。



「ちょ、蒼真。俺いちばん前なんだけどー!」


「うわ!よかったじゃん!」


「他人事だからってひでえ!蒼真は?」



高木と蒼真が、わたしの後ろで大きな声で喋っていた。それに聞き耳を立てるわたし。




「俺27番」



27番.....。番号を聞いてすぐ黒板を見た。



「うわ、端っこじゃん!いいなー」


「俺くじ運いいから」


「くそ、むかつくなお前ー!」



蒼真の席は、わたしと正反対の席だった。



....離れちゃったな。



「じゃあ自分の席に移動開始!」



ガタガタと机を動かして、席へと移動する。咲歩と月菜は、どこの席なのかな。ぐるりと教室を見渡してふたりを探していると、隣の席の人が、きた。



「....あ、」
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