オレンジの片想い

咲歩と月菜が、わたしの行動を見て話すのをやめ、こちらを気にかけているのがわかった。


呼び止めたはいいけど....頭真っ白。どうしようか。



蒼真が足を止める。



「.......っあ、の....」



えっと、何から話せばいいんだっけ。あ、でもこんな人のいる中で言えないや。咲歩と月菜は後から話すけど、蒼真の友だちもそこにいるから早くしなきゃ、ならないのに、言葉が思うように出てこない。




「_______ごめん、雪葉」



「...え?」



どうしてずっと目を合わせないの?なんで、謝るの?


心の中に浮き上がってくる疑問は口から零れずに、立ち尽くすわたしを置いて彼は行ってしまう。



今まで少しは察していたけど、考えないようにして目を逸らしてきた。でも....やっぱり、わたし、避けられてる。



それなのに、なんで。またあの表情を。



「....咲歩、月菜。わたしちょっと」



ふたりにそう告げて、わたしは彼を追いかけて、叫んだ。



「蒼真!ねえ、話したいことがあるの!」


ゆっくりと、蒼真が振り向く。


「なに?」


「こ、ここじゃ言えない」


「......」


「っなんで、避けるの。わたし何かした?」


「雪葉は何もしてないよ」


「じゃあ、なんで...」
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