オレンジの片想い
着慣れたセーラー服ではなく、着慣れないブレザーを身に纏い、見慣れない通学路を歩く。
_________今日から、高校生だ。
期待と不安が入り交じる。緊張で心臓の音が鳴り止まない。
「雪葉ー!おはよう!」
背後から元気な声が聞こえ振り向く。
「月菜!おはよう」
笑顔を見せて小走りでこちらに足を運ばせる、月菜。彼女はわたしと同じ高校へ進学する。足を止めて待って、追いついてから一緒に歩き出す。
「う~クラス替えドキドキするよー!同じクラスがいいけど確率低いよね....」
「わたしも月菜と同じがいいよー。知らない子ばっかりなんだろうね....」
「ひとりくらい知り合いがいてほしいなあ。て、あっ!木山くんも同じ学校受けて合格したって言ってたよね!」
そう、わたしと月菜と、陽翔も同じ高校だ。そして咲歩と高木は、わたしたちとは違う高校だけど、ふたり一緒に合格。
お互い同じ志望校だって知らなかったみたいで、合格発表の日に会場でばったり会ってびっくりしたと、咲歩から聞いた。
「3人一緒になれたら嬉しすぎるよね」
「ほんとにね。離れてもクラス遊びに行くからね!」
「うん待ってる!わたしも行くからね!」
高校までは徒歩20分。中学のときと時間はあまり変わらないけど、道は逆方向。
校門の前は新入生がたくさん。
わたしたちは張り出されたクラス表から自分の名前を探した。