オレンジの片想い
篠井...。と心の中で唱えながら、1組から順に見ていく。
あ、あった。だけど
月菜の苗字は『佐伯』だから同じさ行。五十音順で並んでいるはずだから、わたしの前に佐伯月菜の文字は....なかった。
「雪葉何組!?」
「2組...月菜は?」
「3組...離れちゃった~...」
一緒のクラスになれないっていうのは覚悟していたけど、どこかで期待していた部分もあるからショックだな。やっぱり同じクラスがいいよ。
そう思うのは月菜も同じなようで、肩を落としていた。
「ま、まあ隣だから行き来しやすいし、ね!」
「そーだけどね....」
1年間ずっと変わらないわけだし、落ち込んでたって進めないから。そう思い月菜を励ました。
「木山くんはどこだろ」
確かに、まだ姿見てないな。人混みだからそれも仕方ないか。月菜と一緒に、陽翔の名前を探す。
「...あ」
「ええ~~!2組だ!私ぼっちじゃん!」
ほぼ同時に名前を見つけた。陽翔はわたしと同じクラスだったのだ。
それを見てまた月菜がまたしょんぼりした。
こればっかりは落胆するのも無理ない。ひとりだけ違うクラスなんだもんね...。
だんだんと人が少なくなってきたので、わたしたちも自分の教室へ向かった。