オレンジの片想い
"好き"


そのたった2文字の単語を聞いただけで明らかに動揺する蒼真。なんか、挙動不審みたいになってるよ。



「え、な、なんで?」



....噛みすぎ。思わず吹き出してしまった。




「あはは、好きなんでしょ。蒼真わかりやすすぎだよ!」



ああ、頬が痛いな。彼の態度は見ていておもしろい。だけど、心の奥底にあるもやもやがわたしを完全には笑わせてくれない。



「え、俺....わかりやすい?」


「うん、だいぶね」



ショックなようで、驚いた顔をしたあとガックリと肩を落とした後に、彼は白状した。



「....すき、だよ。小夏のこと」


「.....そんなんで照れないでよ、きもちわるいよ」



お前は乙女か!って突っ込みたくなる。だけど本当のところは、前髪をくしゃくしゃとさわって照れ隠ししながらも、思いきり照れた顔をしている彼が少し可愛い、なんて思った。



「やっぱりね」


「俺ってわかりやすいのか...」


「あはは、でも小夏ちゃんは気づいてないかもなあ」


「え、それもそれで良いのか悪いのか...」
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