オレンジの片想い

振り向いたその席には....


誰も、座っていなかったのである。



.....も、心折れたわ.....。



今日ここの席の人休みなのかな。あれ?でも朝、先生が全員出席してるって言ってたのに。
でもこの空回りは寂しすぎるぞ。


誰の席なのかも知らないけど、その机に額をつけてがっくりと項垂れた。端から見たら、きっと誰も座っていない他人の机で伏せている変な子に違いない。



溜め込んでいた息をゆっくりと吐き出す。



すると後ろから笑い声が聞こえてきた。誰のものなのかなんてすぐにわかって、勢いよく振り返った。



「笑うなー!」



案の定そこには大笑いしている蒼真....と、堪えきれずに控えめに笑う陽翔がいた。



「....っはー、くるし。ひとりでなにやってんだよ、お前」


「なにって、友だち作ろうとしてんのよ!」


「作れてねえけどな」


「う、うるさいなーもう。これからだってば!これから!」


「でも笑ってもらえてちょっとは救われただろ?あのままじゃお前、完全に変なやつだったぞ」



思い出したのか、また笑い出す。むっとして尖ったような声を出した。



「どーもありがとーございましたですよ!」


「うわっ、変な日本語でた。やっぱ変なやつじゃねえか」


「ちーがーいーまーすー!笑うなってば!陽翔までー!」
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