オレンジの片想い

何か言っても言い返してくる。もー、むかつくな、こいつら!



でもむかつくけど、こんなしょうもない言い合いも本当は楽しかったりする。まあお互い冗談半分だし、本気で受け止めてるわけじゃないからね。



「俺ら既に友だちだから独りになることはねえんから、なー木山」


「だな。雪葉は頑張れよ」


「心配ご無用。わたしはいっぱい友だち出来る予定なんで!willですよ、will!」


「willは出来るか出来ないかわからないときに使うんだぞ」


「じゃあbe going toなんで!てか蒼真、英語苦手なんじゃなかったの?」


「これぐらいはわかるだろ」


「わからなくて悪うございましたね」



勉強できるって本当だったんだな。いや、疑ってた訳じゃあないけどさ。


て、わたしこんな言い合いしてる場合じゃない。いい加減同性の友だち作んないと、完全に出遅れてるしやばい。



「....っ、もうわたしいまから、友だち作りに専念するから邪魔しないでよ?」


「はいはい、がんばれー」



適当だな、おい。



とりあえず誰かに話かけないとだ。後ろの席の子がいなかったから、そのまた後ろの席の子はどうかな。この際もう複数の子の輪の中に入るしかない!


ぐるりと180度回って後ろを向いた、先には。



「わあ!?」
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