神様のおもちゃ箱

ちょうど夕飯時になったので、ピザを注文して食べた。


望乃は前髪をしばり、やる気まんまんだったが、お腹がいっぱいになってだんだんと目がうつろになってきた。


しまいにはテーブルに望乃の額が当たる音が、漫画のようにゴンッと響いた。

レポートは、やりかけ。



「あ~。だめだこりゃ、沈没…」

俺がそう言うと、気持ち良さそうに寝息を立てる望乃を見て、輪は笑いながら言った。


「いんじゃない?寝かせとけば。気持ち良さそうだし」

「まぁー…いいけどさぁ」


俺も目をやってみる。


長いまつげ。

多分、由紀子さんより長いだろう。


本当に気持ち良さそうな、無垢な寝顔だった。



――そのお見合い相手と、会うの?



また思い出した……。

考えたくないのに。


俺は眉が下がるのを強引に食い止めて頭を振り、目の前のレポートに集中しようとした。


集中……できねー。

どうも調子が狂う。


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