神様のおもちゃ箱
エピローグ
俺はふと、駅前の本屋の新刊コーナーで足を止めた。
新しい井伏の写真集だ。
俺はそれ手に取り、そのタイトルを見て、思わずニヤけた。
『悩め、少年』
「ははっ」
神様は今頃、笑ってんだろう。
もちろん、あの時とはまた違った笑い方で。
外は真夏日。
俺も、相変わらず大人への階段の途中で、不器用に笑っている。
FIN
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