神様のおもちゃ箱

由紀子さんと、俺。


からかわれてるのかそれとも、

遊び……なのかなぁ。


「ねーえ、そんな事より、私ひとつ気になってる事があるんだよね」

「何?あ、ちょっと砂糖とって」

「ハイ」

「もう一本」

「うげー、甘そう…」


受け取ったグラニュー糖の袋を破り、カップに砂糖を流し込む。

俺が放ったゴミを由紀子さんが拾いゴミ箱に捨てた。


そして本題を切り出した。


「ほら……望乃ちゃん」

「望乃?」

「うん。だって、私、健吾くんとは何もないって言っちゃったじゃない?でも、今は…ねぇ。何でもないってわけじゃないわけだし…」



そう言って彼女は小さく体育座りをした。

望乃には運よく、俺の部屋に由紀子さんが出入りしている所を、まだ一度も見られてない。



< 84 / 133 >

この作品をシェア

pagetop