神様のおもちゃ箱
由紀子さんと、俺。
からかわれてるのかそれとも、
遊び……なのかなぁ。
「ねーえ、そんな事より、私ひとつ気になってる事があるんだよね」
「何?あ、ちょっと砂糖とって」
「ハイ」
「もう一本」
「うげー、甘そう…」
受け取ったグラニュー糖の袋を破り、カップに砂糖を流し込む。
俺が放ったゴミを由紀子さんが拾いゴミ箱に捨てた。
そして本題を切り出した。
「ほら……望乃ちゃん」
「望乃?」
「うん。だって、私、健吾くんとは何もないって言っちゃったじゃない?でも、今は…ねぇ。何でもないってわけじゃないわけだし…」
そう言って彼女は小さく体育座りをした。
望乃には運よく、俺の部屋に由紀子さんが出入りしている所を、まだ一度も見られてない。