神様のおもちゃ箱
「気にしなくていいよ。別に望乃は関係ねぇじゃん」
「なくはないわよ。だってあの子、健吾くんの事好きでしょう?」
「へ?」
「へって…まさか気づいてなかったわけじゃないよね?」
俺は頭をかく。
「いや、まぁ、そんな気がしないでもなかったけど……でも、もし好きなら、ああやってしつこくかまってきたりしないだろって思ってたから」
そう言うと、明らかに呆れた顔をされた。
「あーだめ。乙女心、ぜんっぜん分かってない」
あれ、デジャブ?
「そんなこといっても、分かんないよ。乙女心なんて……」
――ていうか、由紀子さんの気持ちが一番分かんないよ。
そう言おうとして口をつぐんだ。