エリートな彼に恋してる。(更新停止中)
どのくらいトイレに篭っていただろう。
聞き覚えのある声の集団が廊下を通り、辺りは静かになった。
どうやら海崎さんが上手くまとめてくれたらしい。
ほっとため息が零れた。
それと同時にひどく寂しくなった。
女子トイレに一人きり。
一人だということを実感して……
一人が怖くなって。
一生一人だったらどうしようなんて思ったりして。
アルコールって、怖い。
あたしの頭の中をめちゃくちゃにして、めちゃくちゃな涙を流させる。
友達がいるからいいと思ったのに。
だけど、やっぱり嫌だ。
あたしは……
あたしは、奏が欲しい。
あたしの頬から、一筋の雫が落ちた。
「奏……」
あたしの口は、その名を呼ぶ。
ぶっきらぼうで、自己中。
だけど、あたしを狂わせて止まない人。
「奏……」
時々見せるその優しい顔に、ぐいぐい惹き寄せられる。
「好き……奏……」
あたしの意識は、闇の中に消えていった。