エリートな彼に恋してる。(更新停止中)
「大丈夫です。
あたし、一人で帰ります!」
そう言って駆け出していた。
何だか夢から醒めた気分だった。
酙と楽しそうに話をしている奏を見て、気付いてしまった。
あたしは、奏にとって面倒な女なだけだと。
だけど……
「待ってください!」
酙の声が聞こえて、右手をぎゅっと引っ張られた。
思わず振り返るあたし。
「最近、この辺り変質者がいるみたいですよ?」
酙は静かにあたしに告げた。
「あなたに万が一何かがあったら、俺は奏に合わせる顔がありません」
いや、あたしが何されようと、奏は平気だ。
ただ、食事の準備をしてもらき、抱きたい時に抱ければいいだけ。
「彼は、あたしなんてどうでもいいんです!!」
あたしは、酙に向かってそう叫んでいた。
「あたしは、彼女でも何でもないんです!」