エリートな彼に恋してる。(更新停止中)
「情報が足りなくない?」
あたしは奏の顔を見ずにぴしゃりと言う。
「制動環境、コスト、量産性、あらゆる面を考えても、これで十分かと思います」
やっぱり奴は、今まで通り強気に出てくるが……
「万が一故障したとき、迅速に対応が出来るの?
そこのメーカー、大阪にしか営業所がないよね?
うちと連携するなんて、不可能じゃない?」
奏の顔も見ずに吐き捨てる。
「アフターサービスも、お客様の満足度に繋がると思うけど?」
あたしはとどめを刺していた。
しーん……
辺り一面が静かになる。
そして、人々の視線を感じた。
そりゃ、驚くだろう。
先輩を手玉に取る中谷奏に向かって、窓際族のあたしが攻撃に出たから。
まるで戦場のようなピリピリした空気が漂う。
隣で海崎さんがあたしを見て固まっていた。