エリートな彼に恋してる。(更新停止中)








海崎さんがあたしを連れてきた場所。

そこは汚い居酒屋かと思いきや……

お洒落なイタリアンの店だった。

店内はカップルや女性客が多くて。




「さすが海崎さん。

女慣れしてますね」




なんて囃し立てる。

海崎さんは、




「そんなことないけどね」




なんて言いながらも、率先してワインを頼んだりして。

スマートなその振る舞いは、大人の男性だとしみじみ思う。

学生の頃の彼氏や、社会人になりたての頃の彼氏とも違う。

大人の男は素敵だ。




でも、こんな時でさえ……

奏の顔が思い浮かんだ。



よく考えたら、奏とはデートらしいデートすらしたことがなかった。

ただ召使いのようにあたしを家に呼ぶ奏。

やっぱり、駄目な男はどこまででもタメだ。

そんな奏のことを、どうして考えてしまうのだろう。




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