エリートな彼に恋してる。(更新停止中)
「……で!柑奈。
例の中谷君、どこよ?」
柑奈があたしに耳打ちして、あたしは奏を見た。
壁際に、ぽつんと一人奏はいた。
いつもの分厚い黒縁眼鏡に、Tシャツにジャージ姿。
ただのむさ苦しい真面目君だ。
ふと、疑問に思った。
大学時代の友達は多そうな奏。
だけど、会社には友達すらいないのかな?
ああやって壁を作るの、何でだろう。
「へぇー……」
葉子は奏を見て、見下すように笑う。
「予想以下だわ。
本当に彼、上手いの?」
その言葉に、顔が真っ赤になってしまった。
会社での奏は、誰がどう見ても真面目で根暗な男。
ただし、仕事は恐ろしく出来る。
それだけだ。
誰があんなにチャラい男だと想像するのだろうか。