エリートな彼に恋してる。(更新停止中)
奏は近付くあたしを見て、目を逸らした。
胸がぎゅっと苦しくなる。
それでも、何だか寂しそうな奏を放っておけなくて。
あたしは、奏の隣に腰を降ろしていた。
「あんた、一人なの?」
そう聞くと、
「はい」
無表情で頷く。
「同期とかは?」
「仲良くないので」
またまた寂しいことを言う。
オフィスでもそうだ。
奏は、やたら人との間に壁を作る。
大学時代の友達とは、そんなことないのに。
「そっか……」
それ以上何も言えなくて、あたしは黙って俯いていた。
久しぶりの奏の隣。
何もしていないのに、やたら奏を意識してしまう。
胸がドキドキして、身体が熱くなる。
おかしいな、もう諦めたはずなのに。
「バスケ、頑張ろうね!」
あたしの言葉に、奏はいつものように無反応を決めつけていた。