エリートな彼に恋してる。(更新停止中)
こんな楽しいところにやってくる、嫌な男。
そいつはぬっと席から立ち上がり、黒い影のように近付く。
その存在に気付くあたしは、思わず硬直した。
そして、海崎さんも彼を見つめた……
あたしたちの前まで来て、彼は足を止めた。
思わず見上げてしまうその背の高さ。
海崎さんとの楽しいおしゃべりの余韻なんて、どこかへ吹っ飛んでいた。
「ど……どうした?中谷」
海崎さんの頬が引きつっていた。
中谷は黒縁眼鏡の奥の瞳で海崎さんを睨みつける。
そして、こう言った。
「お話はもう終わりましたか?
このプログラムのことで相談がありまして」
「あ……あぁ……」
海崎さんは少し顔を強張らせ、中谷と一緒にフロアから出ていった。
あたしは、そんな二人の背中をぼーっと見ていた。
海崎さんまで手玉に取る中谷。
恐ろしすぎる。
あたしのチームは、中谷によって掻き乱されている。
中谷……
どこまで登れば気が済むの?
どこまで壊したら気が済むの?