エリートな彼に恋してる。(更新停止中)
あたしは釣られるように手を伸ばし、酙の手を握る。
そして、酙は優しくあたしの身体を立たせてくれる。
ヤバい。
何から何までかっこいい。
Fって怖いイメージがあるけど、酙はすごく優しい!
あたしは酙の顔をずっと見つめていた。
そして、口を開きかけた時……
「無事で良かった。
失礼します」
酙はそう軽く頭を下げ、近くの個室に入っていった。
あたしは、そんな酙の消えた部屋をずっと眺めていた。
不意打ちだった。
大好きなベーシストに会えるなんて。
しかも、こんな普通の居酒屋で。
そりゃ、芸能人の一人や二人にはいるかもしれない。
ここは東京だから。
だけど、酙に会えたのがすごく嬉しくて。
手まで握ってしまって。
興奮するあたしがいた。
お酒のせいで、頭もおかしくなっているあたし。
そんなあたしは……
引き寄せられるように、酙の消えた部屋のドアの隙間から、中を覗いていた。