エリートな彼に恋してる。(更新停止中)





あたしは釣られるように手を伸ばし、酙の手を握る。

そして、酙は優しくあたしの身体を立たせてくれる。




ヤバい。

何から何までかっこいい。

Fって怖いイメージがあるけど、酙はすごく優しい!





あたしは酙の顔をずっと見つめていた。

そして、口を開きかけた時……





「無事で良かった。

失礼します」




酙はそう軽く頭を下げ、近くの個室に入っていった。

あたしは、そんな酙の消えた部屋をずっと眺めていた。






不意打ちだった。

大好きなベーシストに会えるなんて。

しかも、こんな普通の居酒屋で。

そりゃ、芸能人の一人や二人にはいるかもしれない。

ここは東京だから。




だけど、酙に会えたのがすごく嬉しくて。

手まで握ってしまって。

興奮するあたしがいた。





お酒のせいで、頭もおかしくなっているあたし。



そんなあたしは……



引き寄せられるように、酙の消えた部屋のドアの隙間から、中を覗いていた。




< 43 / 194 >

この作品をシェア

pagetop