エリートな彼に恋してる。(更新停止中)
「篠山さん、酔いすぎですよ」
中谷はそう言って、あたしにペットボトルの水をくれた。
心底嫌そうなその声に、胸がずきんと痛む。
それでもあたしの身体に回るアルコールの力は凄くて、
「あひがと〜」
やっとのことでそう答え、水をぐいっと飲んだ。
水は喉を流れ、胃をキューっと縮ませる。
だけど、今日のアルコールは強いらしく、一向に酔いが醒める気配はない。
それにしても、中谷は意外だ。
あたしに呆れて帰ると思ったのに、なぜかあたしの看病をしてくれる。
だけど、それすら屈辱だ。
「中谷に助けてもらうなんてぇ……」
思わず呟いていた。
「俺、相当嫌われてますね」
中谷はそう言って、煙草に火を点ける。
その横顔を見たあたしは、不覚にも見惚れていた。
すーっと通った鼻筋。
いつもはキリッと鋭い眼光を放つその瞳は、今はぼんやりと前を眺めていて。
そうかもと思っていたけど、やっぱり中谷はイケメンだ。