エリートな彼に恋してる。(更新停止中)
「あの……」
目の前の男に恐る恐る話しかける。
「あたし、何を……」
彼はその切れ長の瞳を少し細くして笑った。
「覚えてないんすか?
……じゃ、ひ、み、つ」
はぁ!!?
顔が引きつる。
それより……
それより、このチャラい兄ちゃんは誰!?
昨日の夜と同じく、トレードマークの黒縁眼鏡はかけていない。
だけど、その切れ長の瞳、綺麗な鼻筋、少し笑った唇は見覚えがある。
……いや、見覚えがありすぎる!
あたしが憎んで止まない男だ!!
「中谷君。
冗談はやめて」
動揺を押さえ、静かにそう言う。
だけど……
「冗談?
……冗談言ってるのは、そっちじゃないっすか?」
中谷はそう言って、あたしの顔を覗き込む。
その顔がかっこよくて、不覚にも顔がかあっと熱くなった。