カタオモイ
「ねぇ聞いた?
弓野姫子逮捕だってー!」
「飲酒に喫煙でしょ?
煙草とお酒は一生しないって、前に雑誌に載っていたのにねー」
「しかも、結構小さい頃から飲んでいたらしいよ?
親がアルコール依存症とかで」
「それ似たようなの聞いたことあるよー?
アタシが聞いたのは、親が煙草の吸いすぎで亡くなったって」
「だから弓野姫子も煙草とお酒は一生しないって言っていたのにねー。
なんか最悪ー」
学校に近づくにつれ、増えて行く噂話。
話す人の中には、昨日私を体育館裏に連れて行き、弓野姫子の自慢を話し出した取り巻きたちまでいます。
結局、うわべだけの付き合いだったわけですね。
あーあ、カワイソウ。
同情とかしないですけどね?
「エミノ!おはよう」
「あ、津くん。
おはようございます」
朝から太陽のような笑顔を振りまく津くん。
顔を赤くする女の子たちいるけど、私を見て、溜息をついて行ってしまう。
私は津くんが好きなんです。
邪魔しないでいただきたいですね。
「津くん、私お弁当作ってきました!」
「うわ、マジ!?
めっちゃ嬉しいんだけど!!」
「味に自身はないんですけど・・・」
「エミノが作ってくれるものはなんでも美味いと思うけどなー」
その笑顔、反則ですよ?
見て良いのも、独り占めして良いのも、
私ダケデスカラ。