カタオモイ
私が不思議そうに見ていることに気が付いたのか、津くんは微笑みます。
「俺、人とのコミュニケーションの仕方とか知らないんだ。
話せる奴とか出来ても、俺のプライベートとかは一切明かさないし。
なんて言うのかな・・・境界線がある感じ?
ここから先は俺の敷地だから、お前は入ってくるなって。
誰であっても、その境界線は変わらない。
恋人でも、親友でも、家族でも」
「少しだけですけど、私もわかります。
私もコミュニケーションの仕方とかわかりませんし、苦手です。
津くんと同じく、境界線もあります。
特に親しい子でも、プライベートは明かしません。
私だけの敷地ですから」
「エミノ・・・」
「でも、津くんは良い人です。
凄く優しくて・・・大好きです」
・・・ん?
私今、なんて言った?
大好き、です?
「い、今のは忘れてください!」
慌てて撤回するけど、彼は楽しそうに笑うだけ。
あ~、かっこいい!
じゃなくて!!
「えと・・・あの・・・その・・・」
「エミノ、可愛いね。
ちょっとついておいで?
オレ、我慢デキナイ」
え?