カタオモイ
1
☆☆☆
私、滝川瑛美乃は、本当に幸せです。
だって、授業中、いつでも長谷津くんのこと、見えるんですもの。
あ~、目の保養ですわぁ。
「エミノ、教科書見せてくれない?」
「あ、はい。良いですよ?」
教科書を見せるために、机をくっつける。
ザマーミロ、クラスの女子め!
「うわ・・・メモ多いね」
「先生が言っているのを、メモしているだけです」
「十分凄いよ」
「この授業の先生、ノートに書かない、授業中ふと話したことをテストに出すことがあるんです。
1年生の時から教わっているので」
「エミノ凄いね。
テスト順位とか、高いでしょ?」
「こ、この間は、まぐれで1位取りました」
「1位!?
エミノ、頭良いなぁー。
今度、俺に勉強教えてくれない?」
「良いですよ?」
うわ・・・会話多いなぁ!
こんなに教室で話したの、久しぶりです。
私、友達いないんです。
だから毎日、孤独だったんです。
友達ほしいなって思ったことあります。
でも、やっぱり寂しかったな・・・。