カタオモイ



それなのに、長谷律くんは、よく話しかけてくれます。

貴重な体験です。

私、ますます律くんが好きになっちゃいますよ?



ドキドキしていると、いつの間にかお昼ご飯。

毎朝早起きして作るお弁当も、美味しくありません。

やっぱり、色々おしゃべりして食べたいな。

口下手な私にとっては、無理なことだと思いますけどね。



「エミノ、一緒に弁当食べない?」

「え?
良いですけど、お友達と食べないんですか?」

「俺、あんまり仲良い奴、作りたくなくてさ。
彼女とかも、興味ないんだ」

「そうなんですか?
なんか、意外です」



思わず、クスッと笑ってしまいます。

私だけの律くんの秘密。

知ってしまいましたから。



「エミノ、笑うと可愛いな。
もっと笑えば良いのに」

「あ、ありがとうございます。
でも、私ブスですから」

「エミノ、ブスじゃないよ」


律くんは、私を嬉しくさせる天才です。

こんなにも頬があついのは、久しぶりですから。



「エミノの弁当、美味そうだな。
手作り?」



ちなみに、今日のお弁当の中身は、筍(たけのこ)と茸(きのこ)の炊き込みご飯、卵焼き、たこさんウインナー、ハンバーグです。

私少食だから、いつもお弁当箱は1段なんです。








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