カタオモイ



連れて来られたのは、ベタな体育館裏。


「あんたさぁ、良い気になっているんじゃないよ」

「ど、どういう意味ですか?」

「津に良くされて、あんた舞い上がってない?
先生に案内係にあんたが任命されたから、津はあんたに近寄るんだよ?
そんなこともわからないわけ?」


・・・?



「あの・・・」

「なんだよ」

「先生に案内係を私が任命されたから、津くんは私に近寄るんだと言いましたけど、そんなの津くんの自由じゃないですか?
あなたたちは関係ないと思うんですけど?」

「偉そうに言うなよ、ブスがさ」





ブス・・・?

私が、ブス?






「確かに私は、あなたたちよりブスかもしれません。
でも、それは顔の話でしょう?

今あなたたちがやっていることの方が、よっぽどブスな行為だと思いますけど」



ブスと言う言葉を、私は強調させた。



「あ、アタシたちがブスですって!?」

「信じられない!
あんた、知らないんでしょ!

姫子(ひめこ)はね、ファッション誌の、読者モデルしているんだよ?
姫子がブスなわけないじゃない!」


姫子さん?

そうですか、姫子さんというのですね。






覚エテオキマスネ?







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