白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
自分の思考に首を捻っていると、琴吹刹那は自己紹介を続ける。
「琴吹でも刹那でも、呼びやすいように呼んでください。
昔からの癖で口調が荒っぽいけど、直していくんで」
「刹那ちゃんでいいー?」
女子を、というかクラスを代表したのは、委員長久保木莉音(りおん)だった。
琴吹は笑顔で応じる。
ただそれは俺がわかっていた笑い方じゃなくて、微笑みだった。
「はい。呼び捨てでも」
「じゃー刹那! 敬語はなしで。あとでみんな紹介するから」
「ああ、ありがとう」
「じゃあ琴吹さんは、あそこ。一番後ろの空いている席に」