白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
刹那の家へは、歩いて十五分くらいだっただろうか。
俺の家の近くの公園で遊んだり、儚のいる総合病院で遊んでいたりしていたので、琴吹の家ははっきりとは憶えていなかった。
伝えると、もっと近くだよと言われた。
確かに、子供の足と今の俺たちの足では違うよな。
刹那が先導、というか、合わせて歩くので何となく歩調もゆっくりだ。
「いや、私こそ急にお邪魔したのにあたたかくしてもらって。理波ちゃんはほんとに変わらないなあ」
「ああ。相変わらずちっこいだろ」
「お前がでかいんだよ。でも、安心するな、理波ちゃんの空気は。私にはとても心地いいよ」