白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
腕を伸ばして仰向いて、深呼吸をしている。
空気が心地いい、か。……嬉しいね。
「刹那、その……」
「うん? 何だ?」
刹那の目が俺に向いた。
「あーっと……刹那は彼氏いるのか?」
「はっ⁉ な、何言ってんだお前は‼ いるわけないだろ!」
「いないのか」
自分の声のトーンが落ちたのがわかった。
「何でいないって聞いて残念そうになるんだ?」
……心なしか刹那の声が棘があるような……いや臆するな。