白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
「なら血を見ることにはならなそうだなっ」
「……どんな心配してんだお前」
快活に言う言葉じゃない。
「ふー、今度理波ちゃんと病院来てくれよ。儚と待ってるからさ」
気づけば、刹那の家の前だった。
昔造りの木造の平屋建て。
刹那の家だと思えば、見覚えもある。
……ような気もしなくない。
……うろ覚え過ぎる……。
「ああ。今日はありがとな。機会があったらまたメシ作ってくれ」