白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
廊下に、滝篠の姿を見つけた。
と言うか、滝篠が廊下と教室を繋ぐ窓越しにこちらを見ていて、目が合った。
いや、人山になっているからたまたま見ていて、その視線を戻す時にこれまたたまたま重なってしまっただけだろう。
でも、何でだかわからんが、これは一つチャンス!
俺がすべきは一つだけではない。
「滝篠!」
恭輔と諒平に片手をあげて断って、教室を出た。
滝篠は目が合った一瞬後には視線を背けて歩いて行ってしまった。
やっぱり俺の方に目を向けていたわけではないようだ。
いや、そんなキモいことあってもやだけど。
追いかける。
「滝篠! ちょっと!」