白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
「怖いね……」
「やっぱり滝篠の彼女ってのはなー」
愛璃と諒平の声だった。
足音が去ってから、莉音が立ち上がった。
「はー、まったくみんなご執心ねえ」
「仕方ないだろ。大丈夫か? 雅風」
座り込んだままの俺に諒平が手を貸してくれた。
「ありがと。何なんだよ、あれは……」
「そりゃ、あの滝篠に彼女出来たっつったらこうなんだろ。しかもお前の姉貴の理波さんつったら話題豊富過ぎる」
「話題豊富って……」
どこにツッコめばいいんだ。